オーナーの思いを受け継いで。新しい北海道のものづくりと体験を
北海道ボールパークFビレッジからほど近い場所にある、キャンパーズアンドアングラーズ北広島店。国内最大級を誇るフライ&ルアーフィッシングアイテムの品揃え。かつ、キャンプ、トラウトフィッシング、アウトドアアパレル、体験が詰まったこの店舗の敷地内に、アルトラーチェはあります。
「もとは市内の西の里というエリアで11年間、自家製ジェラートと焼き菓子のお店として営業していました。2023年、ご縁があってアルトラーチェとアイビック食品が手を結ぶことになったんです。地元の方はもちろん、北海道内にもファンが多かったので、店名はそのまま、移転リブランディングしようとなりました」と話すのは、アイビック食品株式会社のマネージャーである池本洋介さん。
池本さん自身もかつてアルトラーチェにお客として足を運んでいたそうです。そこで創業者である中島さんのものづくりやお客さまへの姿勢に共感し、その思いを受け継いだリブランディングを考えたと言います。「北海道の素材はもちろん、自社農園で育てた野菜や果物を使ったジェラートを提供するなど、中島さんが自分の目で見て納得した素材で商品を提供していたんです。お客さまへのあいさつや何気ない会話、何より中島さんの人柄もすばらしかった。そんなところに共感して、今までのアルトラーチェも受け継ぎながら『ここにしかない、新たなおいしさと体験』を提供していこう。北海道のさまざまな企業、ひととコラボレーションしていこうとなったんです」。
本格ドリップコーヒーや道産小麦のピッツア。コラボレーションで生まれた新たな魅力。
現在のアルトラーチェで楽しめるジェラートと焼き菓子は、中島さんのレクチャーを受けて引き継いだもの。さらに新たなラインナップとして、コーヒーとピッツアが加わりました。カフェをつくろうと考えたアイビック食品の立ち上げチームは、以前から会社同士のご縁があった丸美珈琲店さんに相談したそうです。丸美珈琲店さんはスペシャルティコーヒー専門店であり、札幌で愛される名店の一つ。代表の後藤栄二郎さんは豆の鑑定の世界大会などでも受賞歴を持つ方で、豆や機材の選定、レシピなどを指導してもらったとのこと。「丸美クオリティの豊かな味わいのコーヒーを、ここで提供したかったんです」。
ピッツアの協力は、これも札幌のイタリア料理の名店であるorizzonte(オリゾンテ)さん。「ここはキャンパーズアンドアングラーズ北広島店の敷地内だし、アウトドアとの親和性を考えたらピッツアなんて喜ばれるんじゃないかと思ったんです」と、池本さんは振り返ります。orizzonteさんにサポートをお願いしながら、北海道産の小麦を使った低温熟成生地のピッツアメニューの開発を立ち上げチームで行い、その後も札幌市の人気鮮魚店のシハチ鮮魚店さんや、イタリアの職人さんが北海道産100%の生乳でつくるチーズ専門店のファットリアビオさんなど、期間限定のコラボピッツアにも取り組んでいます。いろいろなお店や企業とのコラボレーション。これが新たなアルトラーチェに加わった魅力です。
心地良い自然や風景に癒されて、食事やショッピングを楽しむ。
充実した食のほかに、アルトラーチェのおすすめポイントを聞いたみたところ、池本さんから「やっぱり景色ですね」というお返事が。「外の景色を見ながらお食事を楽しんでほしいと思って、全面ガラス張りの開放感あるつくりにしました」。すぐ隣には北広島レクリエーションの森があり、グリーンシーズンはその美しさに癒やされるといいます。「目の前には芝生とドッグラン。夏はテラス席とドッグポールをご用意して、ワンちゃんと一緒にお食事ができるスペースをつくっています」。ここにあるオブジェも北広島に工場を持つシックスインチさんにお願いしているとのこと。小さな子どもが遊んだり、飼い主さんがワンちゃんの撮影に使ったり、ほのぼのとした風景が広がるそうです。店内は、緑はもちろん、暖炉や薪でアウトドアを演出し、来るひとにやすらぎを与えています。
北海道ならではの素材を使ったおみやげも、アルトラーチェのおすすめとのこと。手軽に、ちょっと贅沢なアウトドアごはんが楽しめる「DELBE」シリーズのこだわりは、北道産の食材の使用。北広島で誕生した赤毛米のおやつブランド「riri」、同じく北広島で1939年に創業した「荒井養蜂場」の北海道産天然100%のはちみつのほか、エゾシカ肉を使ったワンちゃん用のおやつブランド「@Luciole」など、さまざまな地元商品やコラボ商品が。北海道、だけど定番とはひとあじ違う商品を取り揃えているので、おみやげを選ぶ側も、もらう側も、楽しい気分が味わえそうです。
地元のアーティストや企業とのさらなるコラボレーションで、北海道をもっと元気に。
今後は、カフェメニューの開発はもちろん、オリジナル商品の開発、新たなコラボレーションも加速させていきたいと話す池本さん。「ここにしかない、新たなおいしさと体験という言葉は地方創生も意識した言葉なんです。いろいろな角度から、地元を元気にしていきたい。例えば、北海道のアーティストとのコラボレーション。すでに店内に作品を展示・販売しているんですが、イベントも開催してみたいんです。作品に深く触れることで、アーティストを知るきっかけの場がつくれたらいいですよね」。
お客さまの声から生まれたオリジナル商品も多いと言います。2024年9月には、ドレッシング2種類とトマトとコンソメのスープ、肉のたれというオリジナル商品を発売しました。江別市の小林牧場さんの牛乳を使ったミルクドレッシングと、北広島の荒井養蜂場さんのはちみつを使った蜂蜜玉ねぎドレッシングは、カフェで提供していたもの。お客さまに好評で、商品化したそうです。「肉のたれもそうですね。キャンプ場が近いから、地元産の野菜やお肉とセットで販売できたらおもしろいですよね」。
食以外の地元コラボレーションも、さらに増やしていきたいと池本さんは話します。「食に関しては、アイビック食品が誇る商品開発スタッフ『ゴッドタンチーム』がいるので、そこを中心に開発をしていけたらと思っています。食以外でもすでに、ユニフォーム北海道さんにスタッフの制服づくりや、ドッグウエアブランドのアルファアイコンさんとコラボレーションしています」。
池本さんの根底にあるのは、地元のひとや企業とコラボレーションすることで、お互い良い方向に進んでいきたい。北海道をもっと良くしていきたいという思い。「ここ、北広島を中心に北海道内でのコラボ商品をもっと増やしていきたいですね。この先、2号店ができたときに、1号店でつくったものを2号店に、2号店でつくったものを1号店に持っていければ、ネットワークが広がる気がして。いいものがたくさん存在する北広島、北海道の魅力をもっと広げていきたいんです」。アルトラーチェのこれからに、ますます期待が膨らみます。